京都の夏を締めくくる風物詩「五山送り火」。東山の大文字、北の妙法、西の船形・左大文字、そして嵯峨の鳥居形。これら5つの送り火を一度に見渡せる場所は非常に限られています。この記事では、五山すべてを一望できる定番スポットから穴場、さらには宿泊しながら鑑賞できるホテルまでを、実際の地図やアクセス情報とともに詳しく解説します。2025年に初めて訪れる方や、混雑を避けてじっくり楽しみたい方にとって有益な情報を網羅しました。
五山送り火とは?(概要と五山の位置関係)
五山送り火は、毎年8月16日に京都で行われる伝統行事で、先祖の霊をあの世に送り届ける意味を持ちます。市内各地の山に順番に火が灯され、幻想的な夏の夜を彩ります。点火順は、大文字(東山如意ヶ嶽)が20:00、妙・法(松ヶ崎)が20:05、船形(西賀茂)が20:10、左大文字(大北山)が20:15、鳥居形(嵯峨曼荼羅山)が20:20となっています。五山はそれぞれ方角も距離も異なるため、一度に見渡せる場所は限られます。そのため、高台や展望台、視界の開けたスポットが人気で、事前に場所取りを行う人も少なくありません。五山の位置関係を把握しておくと、どこからどの送り火が見えるのかを事前にイメージしやすく、当日の観覧がより楽しめます。
五山全部が見える定番スポット
将軍塚展望台(青蓮院門跡)
将軍塚展望台は、京都東山の高台に位置し、市街地を一望できる絶景ポイントとして知られています。五山送り火の際には、ここから五山全てがパノラマビューで見渡せるため、多くの観光客やカメラマンが訪れます。アクセスはJR京都駅からタクシーで約20分、市バスで東山ドライブウェイ方面へ向かう方法もあります。例年、送り火当日は夜間特別開放が行われ、有料(数百円)で入場可能です。視界の広さは圧巻で、写真撮影にも最適。ただし、人気のため早めの到着が必要で、混雑時には入場制限がかかる場合があります。虫除けや飲み物の準備も忘れずに。
個人的に解放感あってよかったのは京都の青蓮院門跡(将軍塚)とその展望台。京都が一望できて、風も強くなかったからほんとにゆっくり見渡せた。大舞台もよかったけど、すぐ近くの展望台からの眺めもなおよかった。 pic.twitter.com/V19sEpykYK
— あっちょんぶりけ (@s_achonburike) April 5, 2022
船岡山公園
京都市北区の船岡山公園は標高約112mの小高い山で、市街地からのアクセスが良く、五山全部を見られる可能性があるスポットです。地下鉄烏丸線「北大路駅」から徒歩15分ほどで到着します。公園内の展望エリアからは視界が開け、条件が整えば全ての送り火が確認できます。ただし、木々の成長や建物の影響で視界が部分的に遮られることもあるため、下見をして場所を決めるのがおすすめです。夜は暗くなるため、懐中電灯があると安心。混雑は比較的少なめで、ゆったりと観覧できる穴場的な存在です。
Good (@ 船岡山公園 in 京都市, 京都府) https://t.co/nIrsG98coI pic.twitter.com/xu8e9Q4LY0
— こやMarian (@ooskabnbs6820) January 3, 2023
京都ホテルオークラ(屋上特別会場)
京都市役所前駅直結の高層ホテル、京都ホテルオークラは、送り火の夜に屋上特別会場を設けることで有名です。宿泊者限定の特別プランで五山一望が可能となり、混雑を避けながら優雅に鑑賞できます。高層からの視界は抜群で、夜空に浮かぶ送り火を存分に楽しめます。プランには軽食やドリンクが付く場合もあり、贅沢なひとときを過ごせます。ただし、予約は数ヶ月前から満室になることが多く、早めの計画が必須です。
稲荷山(伏見稲荷大社)
伏見稲荷大社の背後にそびえる稲荷山も、五山全部が見える可能性のあるスポットです。登山ルートの途中、京都市街を見渡せるポイントがいくつかあり、夜景と送り火を同時に楽しめます。JR奈良線「稲荷駅」から登山を開始し、中腹まで約40〜50分程度。夜間登山になるため、懐中電灯や動きやすい靴、防寒対策が必要です。観光と合わせて体験できるのも魅力で、昼間に千本鳥居を巡り、そのまま夜の送り火鑑賞に向かう人もいます。
京都市伏見区「伏見稲荷大社」さんです😊
— 京都のまち オンリーガイド (@onlytravelKyoto) April 9, 2025
お客様のリクエストで稲荷山の「お山めぐり」のガイドです!
お天気も良く桜🌸もきれいでした♪
「にしむら亭」のいなり寿司も美味しかったです🤗 pic.twitter.com/ThPZxO4KBA
五山送り火が全部見える穴場スポット4選
京都の夏の風物詩「五山送り火」は、五つの山に灯される炎の文字を一度に見られる場所が限られています。有名スポットは混雑必至ですが、地元の人だけが知る穴場も存在します。ここでは、五山すべてを見渡せる可能性が高いスポットを5つご紹介します。
1. 鴨川沿い(出町柳〜丸太町付近)
川沿いの堤防は視界が開けており、東から西までの山々を一直線に見渡せるポイントがあります。特に出町柳付近は涼しい川風と情緒ある景色が魅力。虫除けスプレーや懐中電灯は必須です。
2. 北山通沿いの高層マンション周辺
マンション内部は立ち入り禁止ですが、周辺の道路や小さな公園から意外ときれいに見える場所があります。比較的人通りが少なく、静かに鑑賞できるのが魅力です。
3. 嵯峨野の高台公園
自然豊かな高台からは、夜空に浮かぶ炎の文字をゆったりと眺められます。昼間に下見をして木々や建物で視界が遮られないか確認しておくと安心です。
4. 宝ヶ池周辺
池のほとりや近くの広場からは視界が広く、五山をパノラマで楽しめるポイントがあります。水面に映る炎の反射も幻想的で、写真撮影にもおすすめです。
五山全部を見るための準備と注意点
五山送り火をすべて見渡せるスポットは限られており、特に人気の高い場所は2〜3時間前から場所取りが始まります。そのため、余裕を持って現地に向かうことが大切です。将軍塚展望台などの有料会場を利用する場合は、開場時間や入場方法を事前に確認しておきましょう。持ち物としては、虫除けスプレーやレジャーシート、懐中電灯、防寒具、飲み物が必須アイテムです。真夏とはいえ、夜は思った以上に気温が下がり、特に高台では肌寒く感じることがありますので、軽く羽織れるジャケットやパーカーがあると安心です。また、長時間同じ場所に座るため、座布団や折りたたみイスがあると快適さが格段にアップします。天候にも注意が必要で、雨天時には視界が悪くなったり中止になる可能性もあるため、天気予報を確認し、可能であれば予備日を設けて計画を立てると安心です。混雑や交通規制の情報も事前にチェックし、帰りのルートまで考えておくと、当日をスムーズに楽しめます。
五山送り火当日に持って行くと助かる!必須&便利アイテム4つ
- 双眼鏡または望遠カメラ
遠くの火床や細かい形までしっかり見たい場合に便利。特に将軍塚や船岡山公園など少し距離のあるスポットでは重宝します。 - 携帯用モバイルバッテリー
写真撮影や地図アプリ利用でスマホの電池消耗が早くなります。帰宅まで安心して使えるように準備しておきましょう。 - 折りたたみイスまたは厚手のレジャーシート
長時間の場所取りで腰や足への負担を軽減。地面が冷える夜は断熱効果のあるマットもおすすめです。 - 軽食・お菓子・飲み物
周囲の飲食店や自販機は混雑するため、事前に用意すると安心。温かい飲み物を持って行くと夜の冷え込みにも対応できます。
宿泊しながら五山全部を見る
五山送り火を宿泊しながら楽しむ場合、すべての山を客室から一望できるホテルはごくわずかです。代表的なのは以下の3つのホテルです。
| ホテル名 | 特徴 | 五山送り火が見える条件 | 特別プラン例 | 予約のポイント |
|---|---|---|---|---|
| ザ・リッツ・カールトン京都 | 鴨川沿いのラグジュアリーホテル。和の趣と世界的ブランドの融合。 | 五山全体を見渡せる客室あり(部屋タイプ指定必須) | 室内ディナー+シャンパン付き鑑賞プラン | 毎年早期に満室。半年以上前の予約が理想 |
| 京都ホテルオークラ | 市内中心部にありアクセス抜群。歴史ある格式高いホテル。 | 高層階南向き・東向きの客室から鑑賞可能 | レストランでの特別コース+鑑賞チケット | 4〜5か月前から予約が埋まり始める |
| グランドプリンスホテル京都 | 静かな洛北エリア。周囲の緑も豊か。 | 高層階(10階以上)で一部五山を一望可能 | バーラウンジでの鑑賞付き宿泊プラン | 高層階指定必須。部屋数が少ないため要早期確保 |
宿泊観覧のメリット
- 移動や混雑の心配がない
- 室内でゆったり食事やドリンクを楽しめる
- 天候に左右されにくい(雨天時でも安心)
予約時の注意点
- 客室の向き・階数指定が必須条件になる場合が多い
- 特別プランはキャンセルポリシーが厳しめ
- 公式サイトや旅行予約サイトでのプラン比較が有効
まとめ
五山送り火を全部見えるスポットは、将軍塚展望台や船岡山公園などごく限られています。視界条件や混雑を考慮し、事前の下見や早めの行動が成功のカギです。高台からのパノラマビューやホテルからの優雅な鑑賞など、自分に合ったスタイルで楽しむことができます。2025年の夏は、京都の夜空を彩る壮大な五山送り火を一望し、忘れられない思い出を作ってみてはいかがでしょうか。



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